歩く

歩く

暖かな橋の上を
鮮やかな公園を

歩く

萎びたアパートの軒下を
廃液の乾いた高架沿いを

歩く

歩く 歩く


そうして出会う 希望は
数え挙げればキリがないほど

眠る恋人の寝息
ある日の友人の報せ
子供たちの新しい言葉
立ち込める酒場の匂い

一つ一つに
愛しく 力強く
正しい 希望が宿る


だから歩く

ただひたすら
希望を求めて
歩く


この心に巣食う
限りない 一片の失望を

いつか
無数の希望で満たすために


私は 歩く

 

(2011年4月30日)