過去の記

歩く

歩く 暖かな橋の上を鮮やかな公園を 歩く 萎びたアパートの軒下を廃液の乾いた高架沿いを 歩く 歩く 歩く そうして出会う 希望は数え挙げればキリがないほど 眠る恋人の寝息ある日の友人の報せ子供たちの新しい言葉立ち込める酒場の匂い 一つ一つに愛しく 力…

ひとつ

かなうならばひとつになりたい あなたと まったくのひとつになりたい このきもちを なんといおうこのきもちを なんといおう はいってしまえばつつんでしまえば どうにも こうにもひとつになりたい このきもちを なんといおうこのきもちを なんといおう あな…

世界はいつまでもわからない

明け方の町 若くくたびれたワイシャツの男が ビルの前のベンチに座っている 彼がこれから 行くのか帰るのか 誰にもわからない 明け方の町 にこやかな老夫婦を乗せた車が 高層マンションの前で止まっている 彼らがこれから 行くの帰るのか 誰にもわからない …